変に進化する携帯電話
携帯電話を新しくした。いろんな機能が付いたau最新型のガラパゴス。
多機能はいいんだけれど何かしようとすると「このサービスは有料です」とか「会員登録が必要です」とか。
さらに、コンテンツの再生や移動なんかは、ガチガチにコントロールされていて、パソコンならふつーにできることもできない。それでも昔よりは少し良くなって、サウンドやビデオの取り込みなんかはできるようになってたりはする。しかし、基本的には一方的に携帯電話のシステムが認める範囲、というわけで、どんな理由であれ、合法・違法を問わず、システムの基準の中で利用させていただかなければならない。アプリケーションにしても、ユーザーが勝手にアプリケーションを登録するなんてもってのほかで、通信会社のお墨付きが要求される。
携帯電話ってのは、こういうものだ、と思ってる人が多いんだろう。コンテンツやアプリケーションなんてのも、こういうものだと...
「注文の多い料理店」みたいに、次々目の前に広がるサービスに無邪気に喜んでいるようなもんなのだが、幸い、携帯電話のユーザーは取って食われたりはしない。翌月の請求書を見て青くなるだけだ。
余計な制限をつけず、海外の携帯みたいに、あれこれ自由にできるようにすれば、ずいぶん便利になるはず。もっとも、そうすると自分でやらなきゃいけないことも増える。
金なら払うから適当にやってくれとばかりに、豪華なメニューから欲しいものを選ぶだけ、ってのが日本人好みのスタイルなんだろうか。
品物なら、それでもいいと思う。でも、コミュニケーションって部分で、業者が用意したメニューから選んで購入するというのでいいのかよとも思う。受信したいことはメニューから、発信したいこともメニューから、自分の意見も他人の意見も、恋人同士のラブコールも、選択して購入する。変だと思う。
ぼくは法的に認められた権利を持っている。自宅でその権利を行使しようとしたときに家主さんが「もしかしたら犯罪かもしれないからダメ」とか言われたら、普通、誰でも怒る。
しかし携帯電話の世界では、自分の法的な権利を携帯電話で行使しようとすると、携帯電話のシステムに「もしかすると犯罪かもしれないからダメ」と拒否される。なぜ誰も怒らないの?
そんなものは通信でもコミュニケーションでもない。
それでも、たとえばこれまではどうしようもなかったMP3を携帯に送って再生できるようになった。LISMO PortとかいうiTunesのパロディみたいな専用アプリケーションを使うんだが、極めて複雑で馬鹿げた手順が必要だが、とにかくできる。
ガラパゴスの王様(資本家だ)はiPhoneあたりを見て、「ユーザーは気がつき始めている。このままじゃダメだ」と思ったのかもしれない。
そもそもこのLISMO Portって、変換や転送の質は低いし、むちゃくちゃ時間もかかる。使い物にならない水準だけど、MP3を変換・転送・再生ができるというのは、本質的じゃない。「このままじゃダメ」に気がついたところまではいいんだけれど、ほんとにダメなのは業者の都合でコンテンツをコントロールしようとする発想であって、特定の形式のファイルや保護情報の有無ではない。
豊かなコミュニケーションは、リッチな機能やリッチなシステムから生まれるものじゃない。Twitterにしても、ちょっとした工夫でSMSの限られたメッセージの持つ可能性を広げた。有料会員月額315円の発想からTwitterは出てこない。
で、日本の市民メディアとやらも、そういうガラパゴス的な感性からの脱却を考えなきゃいかんと思うんだがね。
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