サウンド処理
音声は、ラジオはもちろん、ビデオでもとても重要な要素。プロの世界では音声の処理もしっかりやるんだけど、どうしてもアマチュアのビデオなんかでは、映像は立派なのに音声が貧弱というケースは多い。
もっとも最近の家庭用ビデオカメラは、サウンド処理が賢くて、何も考えなくてもうまく音がとれる。ひとつの対象だけを追ってる場合、あんまり大きな破綻はない。
しかし、いろんな人が同時にしゃべるような場面や、異なるソースを使うようなシチュエーションだと音声処理は結構難しい。
先日、レイバーネット日本がやったテスト放送でも、番組や映像そのものは概ね好評だったのだが、音声は聞きづらいという意見があった。
テスト放送の機材は、トークでは2本のマイクをミキサーをかませてカメラのマイク端子に入力、この他にステーションブレークや資料映像にPC内のビデオファイルも使うという形。トークでは音声を拾うものの、話者ごとにレベルが違って、声の大きい人の声ははっきり拾うけど声が小さいと聞き取りにくい。また、トークはマイクをダイレクトにつないだだけで、レベルも低かったないのに対して、用意していたビデオファイルのサウンドは、たっぷり圧縮が効いたボリューム感のある音で、しかもレベルが高い。おかげで生トークとファイルの音量差が目立った。また、ライブ中に電話を使ったのだけど、電話に専用のラインもなく、スピーカーからの音をマイクで拾うという状態だった。
調整卓がないから仕方がない面もあるんだが、サウンドに関しては反省すべき点はかなり多かったと思う。
プロの番組とアマの番組本来なら、話者ごとにピンマイクなどで声を拾って圧縮をかけ、ビデオファイルの音声もミキサーに入れるべきところ。
機材もスタッフも経験もあるプロが作った番組と、なーんにもないアマチュアのテスト放送では比較にもならないけれど、音声波形を見てみるとその差は一目瞭然。
図の上段は、テレビ朝日のニュースステーションの一部で、前半にトーク、後半はインタビューのビデオテープから。そして下段はレイバーネットのテスト放送で、トークとそれに続く会場内の拍手の音、そしてブレークのファイルからの音声。
上段は、どんな部分もレベルが一定で、全体的にボリューム感があることがわかる。下段はトークとファイルのレベル差が大きく、拍手の部分が飛び出している。音圧レベルでは、20db以上の差がある。
ちなみに波形からはわからないが、試験放送では、男性と女性の進行者と一人の男性スピーカーが話しているのだが、マイクが女性の声をうまく拾っておらず、若干聞き取りにくい。
また、音声はカメラのマイク入力に入れたので、カメラ側の自動音量調整が働く可能性がある。これは同時に複数の人が話したり、背景の音などが入った時に問題になることがある。ieee1394のインターフェイスだけを使いたかったみたいなのだが、本来、音声はサウンド入力端子に入れるべきだろう。
やはりコンプレッサーやリミッター付きのミキサーが欲しくなるが、試しに試験放送のサウンドをパソコンのソフト(audacity)でレベル調整をして圧縮をかけてみた。
補正処理した波形波形はプロ並...というには圧縮をかけすぎたような気がするが、まあとにかくずっとデコボコが揃って、実際、はるかに落ち着いて聞ける音になる。また波形だけではわからないが、イコライザを少しいじって女性の声の周波数成分(だいたい200Hzぐらい)を持ち上げてみると、若干は改善されるが、男性の声の音質も変わってくる。緊急避難的にはいいのかもしれないけれど。
このときに使ったミキサーには、リミッタが付いてたはずなので、次はリミッタが効くまで入力のレベルをあげてやってみると改善されそうだ。
このときの送信にはWindowsのUstream Producerを使ったのだが、残念ながらこの段階での音量のレベル調整はできない。OSのミキサーでPCMとマイク/ラインの入力レベルを調整するか、あらかじめファイルの音量レベルを調整しておき、そのレベルにマイク入力のレベルを合わせる必要があるということになる。
ライブ・ブロードキャストなんかの場合、スタッフは会場にいて生の音を聞いているので、どうしても音声より映像に注意が向いてしまう。しかしトークが中心になるイベントなら、音声には十分注意しなければ、聞いてる側はフラストレーションがたまってしまう。やはり音声担当のスタッフを配置して、きっちり音声を拾えるようにしたほうがいい。
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