ヨーロッパのレイバーソング

5月7日2010年

ヨーロッパのレイバーソングは、ブレヒトあたりから始まるんだろうか。言葉の問題もあって、ヨーロッパのレイバーソングは体系的に聴いていないのでよくわかんないのだけど、思いつく限りでは意識的に作られた労働運動指向の歌としてはブレヒトあたりが一番古い。
もっとも、革命歌までいれると、ラ・マルセイエーズインターナショナルなんてのもある。また赤旗の歌は19世紀末頃と言われている。

ちょっと古めというあたりだと、スペインやポルトガル、イタリアなどでファシストに対抗して戦ったパルチザンの歌なんかもいい。有名なベラ・チャオもその当時のイタリア・パルチザンの歌だ。
Marxists Internet Archiveというサイトには、マルキストに関するさまざまな情報があるのだけれど、その中の音楽のページでいろいろな名曲が聴けるので聴いてみてほしい。

新しいところだと、イギリスのビリー・ブラッグは、マジメに社会主義的労働運動の歌を今も盛んに発表している。ジョー・ヒル起源というべきか、ギター1本で歌うスタイルの歌だけど、時代の要請を左派の視点から歌にして現場で歌っているという。
ビリー・ブラッグのサイトには、彼は自分で「進歩的愛国者」と言ってる、なんて紹介があって、なんかビビってしまうのだけど、正統派の社会主義者なので愛国でビビらないように。

イギリスの音楽といえばビートルズだが、ハード・デイズ・ナイトなんて、結構レイバーソングっぽいような気がする。ジョン・レノンは、ビートルズ解散後、多くの社会運動的な内容の歌を作ったし。
また、ラップなんかも内容的には社会的テーマの歌が少なくないという。

もうひとつ、イギリスの音楽といえばパンク。クラッシュは今やパンクバンドの古典で、多くのパンクバンドに影響を与えたバンドだけれど、彼らも社会派の歌が多い。どっちかというと、社会主義というよりはアナーキズムっぽい歌で、みんなで歌う歌というよりはステージの上から歌でアジテーションする、みたいな感じ。名調子のアジテーションってのは、聞いててそれなりに楽しいもんだけど、それが歌になったと思えばいい。

クラッシュの影響はいろんなところに及んでいるけど、イタリアのパンクバンド、バンダ・バソッティがかっこいい。わりと能天気なパンクというかスカというか、そんな感じ。歌詞がイタリア語なもんで、内容がわかんないのが悲しいんだけど、社会派指向ならAsi Es Mi Vidaというアルバムがいい。GuantanameraとかEl Pueblo Unido Jamas Sera VindicoとかNicaragua Nicaraguaとか、古典的な左翼ソングの名曲が入ってる。古典的と言えば、Bella Chaoというミニアルバムもある。イタリアの誇る左翼ソングですね。
歌詞がわからないのは残念だけど、ただし1つだけ、バンダ・バソッティのアルバムで歌詞がわかる歌がある。Vecchi Cani Bastardiというアルバムに日本のパンクロックバンド、ブルーハーツによる情熱の薔薇のカバーが入ってて、歌詞も日本語。もちろん歌詞の内容はレイバーソングじゃないけど。

フランスやドイツにも、レイバーソングのバンドはたくさんあるはずなんだが、残念ながらよく知らない。いまいちメジャーになりきれないのはレイバーソングや社会派バンドの宿命というべきか。

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