海角七号が親日映画だって?
風邪がなかなか抜けない。タバコがまずい。コーヒーの味がわからん。メールボックスは溢れかえっている。
世の中はゴールデンウィークに突入。
ぼくは音楽を聴いたり映画を見たりubuntuをlucidにアップデートしたり。ところがubuntuの画面が表示されない。どうやらKMSがおかしい。フィックスが出るまで待つか、あるいは自分でフィックスするか。困った。とりあえず古いカーネルでKMSを切って起動すれば起動はするんだが。
こういうトラブルは、解決方法が見えないとやる気がだんだん失せてくる。気分転換でもするかと「海角七号 君想う、国境の南」という台湾の映画を見た。台湾では相当ヒットした映画らしい。日本でも今ちょうどやってるところ。
まあ、日台間のラブストーリーで、展開がちょっと強引かなと思うけど、まあ娯楽作品なんだから適当に感情投入しながら素直に楽しめばいい。いい映画だと思う。
あまり日台関係だの旧植民地・宗主国とか、めんどくさいことを考える必要はないんだが、逆にそのことが複雑な台湾の歴史や社会と日本との関係について、そして台湾、国家という概念について考えさせられてしまう。
面白いことに、ネトウヨはこの映画を「親日」だと言って喜んでる。たとえば2ちゃんねるからスピンアウトした「国民が知らない反日の実態」という痛快妄想サイトには、「早くから日本での公開が望まれるも、日本の統治時代が美しく描かれているためマスコミが一切封印。2009年冬にようやく上映されることが決まった。/日本は戦前、他国に悪い事ばかりを行ったと勘違いしている『自虐史観』に染まった日本人は必ず見てほしい作品である」なんて書いてある。そんなに簡単な話じゃないって。
ちなみに、このサイト、たとえば「反日」の勢力図なんてのを見ると、その妄想度がよくわかる。傑作である。上記の「マスコミが一切封印」というあたりも、つまり反日マスコミが(民主党や日教組とともに)国民を洗脳していて…という妄想の産物。ネトウヨや在特会みたいな変なのは、みんなこれと同じ妄想パターンだ。
旧帝国時代の日本が、アジアで何をしたのかについては、言うまでもない。「海角7号」でも、冒頭に「日本人は貴族のように傲慢だった」という手紙が登場する。何をしたのかとか、その評価はともかく、台湾から追い出された日本人はそうした痛みを感じながら日本に帰らざるを得なかった。この映画を褒め称えるネトウヨは、そういうことも考えなきゃいけないよ。
いずれにしても国家なんてもんにこだわってるとろくなことはない。国境なんて人為的に作られたものでしかない。どこからどこまでが日本なのかなんて、いいかげんなものだ。沖縄が正式に帝国の一部になったのは1879年。そんなに昔の話でもない。日本が台湾を獲得したのはそれから6年後の1885年。歴史や民族や言語の違い、統治方式の違いがあるので沖縄と台湾を比較するのは無理だけど、敗戦直前の時期、沖縄の住民と、台湾の住民の間の意識は、それほどかけ離れていただろうか。
台湾は中国という国家の一部なのだが、大陸を支配しているわけでもなく、大陸に支配されているわけでもない。かといって南北朝鮮のようにそれぞれが国連に加盟しているわけでもないのだが、国際的な場面では台湾はひとつの単位でもある。しかし、南北朝鮮のようにそれぞれが国連に加盟しているわけでもないので、時として国際的な関係からはじき出されたりもする。
そんな複雑さは、だけど他国との関係の中で複雑なだけで、台湾で暮らす普通の人々はそんなことを考えながら生活しているわけでもない。
この映画は、ネトウヨが言うような親日映画ではない。むしろ、ネトウヨが好きな腐った国家主義のくだらなさを感じさせる映画だね。まあ、そういう見方をすれば、だけど。
新しいコメントの投稿