リッツ缶コーヒー・ロースター
MediRの流しの横に空のRitz缶があった。災害時の保存食用として売られているRitzの空き缶で、容量は2リットルぐらいのスチール製だ。ちょうど、コーヒーのロースターに使えそうな缶を物色していたところだったのだが、これはちょうどいいサイズ。
というわけで先日の拡大事務局会議の時、このRitzの空き缶をゲット、廃物利用のコーヒー焙煎器を作ってみたら、実に具合がよかった。ので、ここに書いておくことにする。
リッツ缶ロースター: 100均ポテトマッシャーで取っ手を作った。奥は1リットル缶ロースター。 さてコーヒーの焙煎なんて、つまりコーヒー色になるまで生の豆を加熱するだけである。ただ、その時に熱の加え方だとか煙の抜き方だとかの違いで、焼きあがったコーヒーの味は全く変わってくる。そんなもんで、数千円から数十万円まで、いろんな焙煎器が販売されているのだが、たかがコーヒーを焼くのに大金を払うほどのマニアではない。
インターネットで調べてみると 「ミルク缶焙煎器」 というやつの評判がいい。実はすでに1リットルほどの容量の空き缶で似たようなロースターを作って使っているのだが、ちょっと容量が小さいので、適当な缶が見つかったら一度、フルサイズ(?)のロースターを作ってみようと思っていたのだ。例のRitz缶は、これにちょうどいいサイズだったというわけ。ちなみにRitz缶以外にも、元祖「ミルク缶焙煎器」で使っていた粉ミルクの缶や、保存食用の乾パンの缶とか、2リットル前後の容量の缶はいろいろあって、同じように使えるはず。
Ritzの空き缶をロースターにするには、底に釘で適当に穴を空け、取っ手をつけるだけだ。元祖のページの通りに作ればいいのだが、取っ手の工作が面倒なのでぼくは100円ショップで買ってきた安物のポテト・マッシャーを針金で縛り付けて取っ手にした。焙煎中は200度を越える。取っ手がぐらついたり、途中で取れないようにペンチを使って針金をきつく縛る。ぐいぐい締め上げれば思ったよりしっかり止められた。このときポテト・マッシャーの網部分を缶の曲線にあわせて曲げ、缶と密着させた。安物のマッシャーなので、簡単に曲げられる。これで針金で縛り付けただけでもがっちりと安定する。
底面の穴あけは、パソコンのドローソフトでダーツの的みたいなパターンを描いて印刷した紙を缶の底のサイズにあわせて切り抜き、型紙にして穴の位置を決めると簡単。後は釘で穴を開ければいい。
焙煎できる豆の量はだいたい計量カップに軽く1杯ぐらい。もう何も難しいことを考えず、レンジを最大火力にして、火の上でただ缶を振るだけで、とてもおいしいコーヒーになった。レンジの五徳から5センチぐらいの高さで豆が焦げないように振り続け、いい色になってきたらザルにあけ、扇風機で冷却すればいい。ちなみに、ぼくが試したらだいたい16分ぐらいでフルシティ・ロースト(深煎り)に焼きあがった。
温度の加減や排気は、缶と底の穴のおかげで、うまい具合にコントロールされているみたいな感じだ。金網のロースターだと火加減が難しいのだけれど、空き缶のロースターはあまり気を使わなくてもいい。あえて火力を調整するとしたら、最初にパチパチと豆が弾け始めたら、その後は少し火から遠ざけて温度の上昇を緩くするといいような気がする(けど、あまり何度も試していないので違ってるかも)。
しかし、そんな面倒なことを考えなくても適当に焼くだけで、できあがったコーヒーは、専門店のコーヒーにはかなわないまでも、そこらの安いコーヒーよりずっとおいしかった。ただし、「おいしい」というのはあくまでもぼくの好み。ブラジル、コロンビアでフルシティ・ローストのブレンドで、抽出はデロンギの家庭用エスプレッソ・マシンでの話。他人がこれをおいしいというか、苦いというかは、ぼくの知ったことではない。
ま、いずれにしても適当な空き缶に針金で取っ手を縛りつけるだけで、これだけおいしいコーヒーが作れたんだから、ぼくはとてもハッピーであります。
ただし、いいことばかりでもない。何しろこれからは夏。全開のレンジの前で15分以上立ってるのは暑い。それと、煙がモクモクと出る。金網のロースターでも煙は出るけど、空き缶のロースターは何だか煙の量が多いような気がする。
もうひとつの問題は取っ手。
以前、1リットル缶で作ったロースターは、同じ100円のポテト・マッシャーの取っ手を曲げず、ストレートにしていた。しかし今回使った2リットル缶だとストレートだと重く感じる。それでマッシャーの柄を曲げてみたのだが、いまいちホールドが安定しない。熱くないようにタオルで根元の金属部分を巻いて、軍手をしてそこを持てばいい具合にホールドするのだが、すると手が炎に近くなるので手がとても熱い。おいしいコーヒーのためと思えば、我慢できなくはないけれど、ストレートの取っ手がついた1リットル缶の方が楽だな。
ちなみに金属の熱容量のせいなのか、穴の大きさのせいなのか、1リットル缶で作ったときより、今回Ritz缶で作ったロースターのほうがコクや甘味が多く、味が濃いおいしいコーヒーになった。缶のサイズのせいなのか、穴の数や穴の大きさなどの他の要因のせいなのかはよくわからない。このへんを追求し始めると、泥沼に足を突っ込んで不幸になりそうなので、あえて難しいことは考えない方がよさそうな気がする。
続・リッツ缶コーヒー・ロースター
リッツ缶コーヒー・ロースターは悪くないんだけれど、思ったより重いし、うるさかった。で、一計を案じて100円ショップで買った小型のステンレスのザルの縁を取って、缶に押し込んでみたら、これが大当たり。
専門店とはレベルが違うので比較にならないけれど、そこらで売ってる豆よりはるかにおいしい。
構造的には、鉄でシールドされた手網ロースター、あるいはオーブンの中で金網に入れた生豆を加熱してるような感じだ。
ザルを入れたことで、豆が高温の金属に直接接触しなくなり、その分、熱が伝わりにくくなったらしい。だから通常の空き缶ロースターより缶の底に開けた穴を大きくしなきゃいけない。
それでも熱の当たりかたが間接的になった分、缶の口から熱気が逃げるのか、思うように温度が上がらないので、開口部を半分ぐらい厚手のアルミ箔で被ってみたのだが、これも味にいい影響があるみたいな感じ。あまり厳密に調べてないけど。
網入り缶のメリットは、まずザルがクッションになるので、缶をバシバシ振っても全然うるさくない。もっとも豆が高温の金属に接触しないため、あまりバシバシ缶を振る必要がなくなるから疲れないし、音も静か...というより、重い缶を振り続ける必要もない。ザルを押し込んだので底部が丸みを帯びているので、疲れたら木や竹のヘラ、菜箸などを突っ込んでかき回すこともできる(ただしヘラでかき回すだけだとムラになる)。
とにかくザルを入れたことで「うるさい」「重い」というデメリットは解消。
これでローストした豆でいれたエスプレッソは、ブラックで飲んでもとろりと甘くて苦い大人の味、砂糖を入れれば酸味・苦味を砂糖が包み込んで、本物のヨーロッパのカフェやバールの味。もうシアトル系なんて飲めません。
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