インターネット・ラジオ 7. サーバの設置
ネットラジオは本格的なメディアとして限りない可能性を持つメディアだ。最近はビデオ配信が注目され、影の薄いラジオだが、映像メディアとは異なるモードを持つ。番組の発想や作り方も違い、ラジオの楽しみ方も違う。
特にWebでの受信やPodcast、ラジオチューナソフトなど、さまざまな聴き方ができる点が、ネットラジオの人気の理由だろう。
ラジオを提供する側としても、音声だけを使うネットラジオは、ビデオサイトよりも簡単でシステムへの負担も小さい。そのため、個人でも自分のパソコンでネットラジオを開局できることが、映像サイトとは次元が異なるネットラジオの広がりの理由だ。まさに一昔前の「ミニFM」を彷彿とさせるアングラな世界がインターネットに広がっているのだ。
ネットラジオの番組を提供する上で必要となるサーバの構築と公開に関する技術情報を説明する。
ここで言う「サーバ」は、ストリーミング・サーバのこと。
大量のビデオデータの接続を前提とするようなストリーミング・サーバは、ハードウェアや回線にも十分なリソースが必要でそう簡単に立ち上げるわけにはいかないが、同時接続数が少なく、配信するデータも96Kとか128K程度の帯域の音声データなら、ちょいとストリーミング・サーバを立ち上げるということも可能になってくる。
とはいえサーバはサーバ。インターネットに接続して外部からアクセスできるようにするには、それなりの準備が必要になる。
まず普通の家庭のパソコンなら、ブロードバンド・ルータやファイアウォールの中にマシンが設置されていると思う。この場合、ルータなどに割り当てられたIPアドレスのポート8000(これは設定で変えられる)への接続をパソコンに振り向けてやらなければならない。具体的にはそれぞれのルータなりの設定を見てくれとしか言いようがないが、ポート転送とか、まあ、そんな感じのメニュー項目にあるはず。
外部から接続できるIPアドレスを持っているマシンが使えるんだったら上記の設定は不要だが、とにかくポート8000に外から接続できるようにしなけりゃいけない、ということ。
次にサーバをインストールする。
WindowsならSHOUTcast、GNU/LinuxならIceCast(IceCast2)をインストールすればいい。Ubuntuなど、たいていのGNU/Linuxなら標準のディストリビューションに含まれているはずなので、apt-getとかyumとかでインストールすればいい。Windowsの場合は、Googleでshoutcastあたりをキーワードにして検索すれば、ソフトの配布をしているところが見つかるので、普通にインストールすればいいはず。
インストールの後は設定だが、最低、いくつかの必要になるパスワードだけはきちんと設定しておくこと。パスワードはそれぞれ異なるものにしなければならない。
GNU/Linuxだと、/etc/icecast2/icecast.xmlの次の部分だ。
<authentication>
<source-password>パスワード1</source-password>
<relay-password>パスワード2</relay-password>
<admin-password>パスワード3</admin-password>
</authentication>
あとは特に設定しなきゃ動かないという部分はないはずだが、インストールによってはlisten-socketの部分でローカルホストからの接続しか受付ないようになっているかもしれない。
いずれにしてもさまざまな設定項目のうち、接続に絶対必要な部分はそれほど多くない。パスワードだけは設定して、これで外から接続できないようなら、設定項目を見直せばいい。
また、IceCastをSHOUTcast互換で使用する場合(WindowsのSHOUTcastクライアントからの接続を受け付ける場合)は、次のようにshoutcast-compatを1にする。listen-socketは、複数記述することができ、たとえば8000を非互換、8001を互換というように使い分けることもできる。
<listen-socket>
<port>8000</port>
<shoutcast-compat>1</shoutcast-compat>
</listen-socket>
動作の確認は、サーバの公開ディレクトリ(IceCastの場合、webrootで指定したディレクトリ)にMP3ファイルを入れて外部からそのファイルにアクセスして確かめればよい。
また、ブラウザでIceCastの/adminにアクセスすることで可動状態のモニタができる。
サーバが動き始めたら、ライブ配信の方法で説明したように、パソコン側のクライアントを使ってコンテンツを配信することができる。
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