インターネット・ラジオ 6. 録音システム、編集加工

5月27日2009年

ライブにしろ何にしろ、ラジオ番組を作るためには音声のデータが必要になる。
簡単なライブとかトーク番組なら、マイク1本をパソコンにつなぎ、エンコーダからサーバに送れば、まあ、目的を達成することはできるんだけど。

「話してる声や音楽が聞こえりゃいいんでしょ」という考え方もある。ごもっとも。だからあまり難しく考える必要はない。
しかし、せっかく番組を作るんだったら、録音の基本や、音の加工、編集についても知っておきたい。マイク1本の世界よりも、番組をずっと聞きやすく、いい音にすることができる。

ネットラジオの番組の中には、どこかのFM局みたいにかっこいいジングルやBGMを使って、いかにもソレっぽい番組になってるものもある。もちろん内容は重要。マイク1本で文句あるか、みたいな番組でも面白ければリスナーもつくし、内容がなければ誰も聞かない。
今回は、サウンド関連の技術的な側面だけを説明するが、技術はちゃんとした内容があってこそ。たかがネットラジオとはいえ、どんな内容をどう話すかというような進行表や、場合によっては台本も作り、リハーサルもして、というような内容面での工夫、事前に必要な録音素材を揃えておくといった準備などもしっかりやっておくのはあたりまえ、ということで、さて技術の話。

番組には、録音のないライブの中継と録音された番組、大きくこの2つがある。内容的には、ひとりのトークを中心に構成される番組、進行者とゲストなどの対談形式の番組、音楽などの録音素材を中心に進行者が進める番組、イベントのライブ中継などがある。

ひとりのトークの録音なら話は簡単。適当に録音してラジオ用にエンコードすればいい。

対談の場合も同じだが、できれば録音時にそれぞれの話者に1本ずつマイクを割り当てたい。1本で複数の話者の声を拾うと、クリアな音声にならず、声の大きさにばらつきがあったりして聞きづらくなる。
しかし普通のパソコンだと、モノラルのマイク入力端子ぐらいしかない。複数のマイク入力のミキシングは、アナログミキサーを使うのが簡単で便利だ。複数のサウンドカードを使ってマイク入力の数を増やすという方法もあるが、手間も労力も金もかかる。4チャネルぐらいなら、アナログミキサーを用意するほうが絶対に便利。

録音素材を使う場合は、番組の進行と同時にミキサーで素材をミキシングする方法と、トークの部分を収録した後に、パソコンのサウンド編集ソフトでミキシングする方法がある。
作業の手間を考えると、進行と同時にアナログミキサーでミキシングしたほうが手軽で早い。音楽のDJなんかだと、トークはトーク、音楽は音楽と別々にしちゃうと、やってるほうもやりづらいし、ノリも悪くなったりする。
しかし、番組内のパートのつなぎに音楽を使ったり、BGMなどの背景となるサウンドをまぜる場合等は、トークの部分と別に、後でパソコンを使ってミキシングする方が加工に便利ということもある。
たとえば、トークの余計な部分、アマチュアのネットラジオなんかだと、収録中に電話がかかってきて「ちょっと待って」みたいなこともあったりするわけで、そんなときにはその部分をカットしなければならない(カットせずにリアリティを出すってのはまた別の話である)。ところが、背景のサウンドをアナログミキサーでミキシングしていると、その部分が飛んでしまって不自然になる。背景のサウンドとトーク部分は後でミキシングすれば、スムーズにつなげられる。
ちなみに、他の録音素材を使う場合、ヘッドホンなどで話者にもその音声が聞こえるようにしておくといい。

というわけで、収録した音声データの編集や加工、他の素材とのミキシングをすることになるが、そのためにはパソコンにサウンド編集ソフトが必要になる。
これまたいろんな編集ソフトがあるが、とりあえずこれ1本というのなら、audacityという自由ソフトウェアがいい。
編集機能の数も多く、各種のエフェクトのプラグインも多く、加工は自由自在、いつでもインターネットから最新版をタダでダウンロードできる。
機能が多いだけにaudacityの使い方を説明し始めるとたいへんなことになるが、たとえばこんな使い方ができる。

  • 不要な空白や音声のカット
  • 複数の音源のミキシング
  • ノイズ(エアコンやパソコンのファン、雑踏のノイズなど)の除去
  • レベルの調整、音質調整、圧縮・伸長
  • リバーブ、エコー、変調などの効果
    ラジオ番組を収録したデータの場合、いくつかの基本的なパターンでデータを加工することで、音声がクリアになり、ぐっと聞きやすくなる。
    身元が割れると困る当該へのインタビューも、音声を加工すれば、声でバレないようにできる。
    とにかくラジオをやるんだったら、audacityでも何でもいいんだけれど、音声の編集・加工ソフトの基本的な使い方はマスターしておくこと。

録音と編集がおわったら、最終的に目的の形式でエンコードしてファイルを作る。これで完パケの完成である。

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