海賊版のこと - あるいは著作権法改正法案衆院通過

5月18日2009年

「違法」コンテンツのダウンロードを違法化する著作権法改正法案が衆議院を通過して、参議院に送られる。
衆議院で全会一致で通過したそうなので、参議院も通ってしまうだろう。
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今の著作権ビジネスの仕組みに疑問を感じないほど飼いならされてしまった多くの人々、政治家たちには、「違法コンテンツ」のダウンロードを違法化することに格別の抵抗はないかもしれない。

しかし、たとえば「海賊版」はどうするんだ?
さまざまな権利について未処理でも、これまで優れた演奏は海賊版として流通していた。レコード屋にも海賊版コーナーみたいなのがあったりもした。ぼくもずいぶん海賊版を買ったもんだ。
その町のレコード屋も、インターネットのおかげでどんどんつぶれてしまったけれど。

さすがにAmazonみたいなところでは海賊版は買えない。Official BootlegだとかAuthorized Bootlegとか、不可解な海賊版はあるけれど。
それでもインターネットでそれなりに流通している。
「違法コンテンツ」のダウンロードが犯罪ということになってしまうと、海賊版という文化は失われてしまう。
海賊版が望ましいというわけじゃないし、現在の法律でも明確に違法なんだけれど、上記のOfficial BootlegだとかAuthorized Bootlegとかが存在すること自体、海賊版の価値、あるいは存在意義を反証するものではないだろうか。

権利は常にぶつかる。複数の権利がぶつかれば、必ずどこかで権利が侵害される。
権利の侵害そのものが絶対的な悪ではなく、権利の力関係で善と悪が分けられる。
海賊版は、そんな権利の力関係の隙間で存在してきた。

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今回の法案通過も、結局はRIAAやハリウッド、そしてJASRACなどのコンテンツ産業の力が圧倒的に強くて、消費者側がそれに抵抗し切れなかったということでもある。その「力」の源泉は、おそらく米国のスペシャル301条なんだろう。
「ダウンロードを違法化しなければ、スペシャル301条を発動するぞ。それでいいのか」というアメリカの脅し。
その意味で、今回の法案通過はグローバリズムの問題でもある。

もちろん、グローバリズムと言っても、単なる理念としてのグローバリズムではなく、FTAなどをはじめとするさまざまな道具と、スペシャル301条のような一方的で強圧的な武器に守られた強国による利己的なグローバリズムだ。
そうした利己的なグローバリズムが今の世界的な金融危機を引き起こした張本人だというのに、その反省もなく米国の脅迫の前で「違法コンテンツのダウンロードをしたら犯罪ということにしましょう」で全会一致で通過しちゃうというのだから、まあ民主党はともかく、共産党も社民党も、いったい何をやっとるのだね、と思ってしまう。

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「違法コンテンツのダウンロード違法化には絶対反対!」
...なんて、ここで叫んでもしょうがないんだが、とにかく書くだけは書いておく。

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