不思議な「北朝鮮のミサイル」報道

4月5日2009年

北朝鮮がミサイルの発射実験をしたんだそうだ。
由々しきことである。
もっともこのミサイルには弾頭の代わりに人工衛星がとり付けられていて、人工衛星は地球をぐるぐる回っているそうだけど。
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それにしても週末のマスコミは、このミサイルの報道で大騒ぎだった。
まるで、北朝鮮が日本にミサイルを打ち込もうとしているかのような報道一色だった。

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この週末の騒ぎは、日本全体をまきこんだ軍事演習だったのだろう。
演習のシナリオは「敵国が日本に向けてミサイルを発射した」。
マスコミを含み、民間までまきこんだ軍事演習なんて、なかなかできるものではない。
本質を隠して言い繕うために、北朝鮮がミサイルを「人工衛星」と呼ぶように、日本では軍隊を「自衛隊」と呼んでいるのだが、「自衛隊」は高価なオモチャをフル稼働させて「ミサイル」の飛来に備えた。
そして、軍事演習に協力するマスコミは、実戦さながらのリアルタイム報道体制で「ミサイル」情報を流し続けた。
ミサイルの軌道とは何の関係もないぼくが住んでいる市の役所まで、「ミサイル」の飛来に備えて特別シフトを取っていた。
これほど大掛かりな軍事演習に、多くの国民が進んで参加してくれたのだから、「自衛隊」はさぞかし北朝鮮に感謝していることだろう。
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マスコミが「日本の上空を飛ぶ」という北朝鮮のミサイルだが、「上空」なんてものではない。弾道ミサイルは人工衛星と同じ「宇宙」を飛ぶのである。高度にすれば数百キロ。ちなみに飛行機は高度10キロぐらい。
打ち上げに失敗したら日本の領域内に落ちてくるかもしれないから「怖い」という。もしブースターの殻が領海や領土に落ちてくれば、迎撃システムで迎撃するという。すごい話だ。それを迎撃しても、そこで燃えてなくなるわけではなくて、やっぱり日本の領域内に落ちてくる。
確かに大きなブースターが降ってきたら迷惑だけど、粉々になったブースターの金属片に加えて迎撃ミサイルの金属片まで降ってきたら、それはそれですごい迷惑。
北朝鮮のミサイルが失敗したら、という話はあっても、迎撃に失敗したら、迎撃ミサイルはどこに落ちるか、という話はない。
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北朝鮮のミサイル発射実験は、実験が成功した時が一番怖い。
ところが、週末の報道を見ている限り、実験が失敗して宝くじに当たるような確率で日本に落ちてくることを怖がっているようにしか思えない。
こうしたマスコミの報道は、真の脅威を見えなくしてしまうという意味で、とても深刻な問題だと思う。
もちろん、面白半分に北朝鮮ネタで視聴者の関心を引こうとする低俗なマスコミ根性も問題だし、政府のコントロール通りにミサイル情報を垂れ流すNHKの報道を見ていると絶望的な気分にさえなる。
拉致事件でもそうだけれど、なんで日本の政府もマスコミも、北朝鮮ネタになると、これほどまでに理性を失ってしまうのだろう。
こんなアプローチでは、北朝鮮の問題は絶対に解決できないことはわかりきっているはずなのに。
この不可解な日本の態度を説明する唯一の合理的な解釈は、日本は北朝鮮問題を永遠に解決したくない、永遠に日本にとっての脅威であってほしいと思っているということだ。

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