韓国でも著作権法改悪

3月5日2009年

韓国では、メディア関連の法改正をめぐり、激しい攻防が続いているが、メディア関連でも著作権法改正についてはあまり議論もなく通過してしまいそうだという。

日本でも著作権法は立て続けに改悪が重ねられてきたが、著作権法の改悪に対する認識は低い。特にぼくの周辺の「メディア活動家」の中ではほとんど議論になっていない。
韓国では、進歩ネットなどが中心になって著作権がらみの問題を訴えているのだが、社会的な問題に広げるのに苦労しているようだ。

韓国の今回の著作権法改正は、著作権を侵害するコンテンツをアップロードした場合、政府が制裁措置を取ることができるようになっている。つまり、正式な裁判などの手続きをとらずに政府の判断で、サイトの閉鎖やアカウントの停止などができる。
違法コンテンツの流通防止、という立法の趣旨はわからんでもないのだが、こんな法律では、たとえば政治的な意見が書き込まれたブログやサイトに、新聞記事が「違法に」引用されていたという理由でサイトの閉鎖を命じることができるようになるのだろう。実際、韓国では名誉毀損だとか営業妨害だとかを理由に、政治的な主張を掲載しているサイトが強制的に閉鎖されるケースもある。

しかし政治的主張かどうかなんて、どうでもいいことだ。政治的であろうが個人的であろうが娯楽的であろうが、つまり政府が表現の内容を勝手に判断して、制裁措置を取ることができる、という基本的な考え方そのものが決定的におかしい。

こんなとんでもない法改正が行われるのは、違法コンテンツの横行という問題があるのは事実だろう。そして韓国政府、というか、イ・ミョンバク政権は違法コンテンツ問題を解決して、メディア産業を「もっと儲かる産業」にしたいと思っているのだろう。そのためにはなりふりかまわないということだろう。
そのあたりの事情は、若干日本とは異なるが、それでも日本でも利用者の事情を無視した著作権ビジネスに有利な法改正の試みは続いている。おそらく日韓両国には米国の著作権ビジネスからの圧力もあり、その意味では問題の根は共通している。WIPO体制というべきだろうか。

「違法」コピー、テロ、児童ポルノ、掲示板での脅迫などが、そうした言い訳に使われる。わかりやすく、いかにももっともらしい理由だ。
インターネットが開いた表現の可能性は、こうして少しずつ狭められ、奪われていく。いずれ、気がついたときには何もネットでは表現ができなくなるだろう。「そんなバカな」と思っちゃいけない。ネットで流通するのは、お墨付き業者が販売する合法コンテンツのみ、一般の利用者は表現なんてしないで、そうした合法コンテンツを購入するだけの存在、そうした構図が、「彼ら」の望みであり、その方向に物事は動いている。

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