ゴールドベルク変奏曲
ゴールドベルク変奏曲は不思議な魅力がある。
美しいアリアの主題から30の変奏が続く。延々1時間ほど続く。元々、不眠症の王様のために、王様が眠るまで演奏し続けるように作った、なんて話があるけれど、考えてみれば夜中に王様を寝かしつけるためにチェンバロを弾かされた楽士もいい迷惑だっただろう。
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ゴールドベルク変奏曲の演奏というとグレン・グールドが有名。ぼくもモノラル版、ステレオ版を持っているけれど、どっちも凄い。凄すぎて、これを1時間聴きつづけると本当に疲れてしまう。もっとサラサラしたのがいい。
あまりクラシックの人は言及しないけれど、キース・ジャレットのゴールドベルクは癒し系というか、クラシック畑の名演奏とは違って気持ちがいいのでぼくは好きだ。クラシック的な評価はよく知らないけど、クラシック愛好家だったら「こんなの、イージーリスニングだ」とか言うかもしれないが、実はぼくはイージーリスニング的クラシックが好きだったりもする。
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ジャズ畑のプレイヤーによるゴールドベルク変奏曲で、異色なのがユリ・ケインの録音。キース・ジャレットはまともに楽譜を弾いているけれど、ユリ・ケインのゴールドベルクはテーマこそバッハの楽譜だけど、それから後はぶっ飛んでしまう。ユリ・ケインはこれまでにもマーラーをはじめ、クラシックを題材に不思議な音の世界を作ってきたピアニストなんだけど、このゴールドベルクも何というのか、創造的というのか破壊的というのか、面白いと言えば面白いのだが、ありとあらゆるスタイルで「これでもか」と攻められている感じで、途中で「わーった、もういい」とかつぶやきながら別の曲に変えちゃったりする。
ストレートなジャズなら、ユリ・ケインは好きなピアニストなんだけどなあ。
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